いきなりではあるが、譬え話をする。
今ここに1000万円の現金があるとする。
そしてあなたには二つの選択肢がある。
①今すぐ1000万円貰う。
②10年に分けて毎年100万円ずつ貰う。
人の一生において、誰しも必ず類似の決断をせねばならぬ時があるはず。さあ、どちらか選んでくれ。
もちろん、模範解答はある。例によって正解が分かっていてもその通り出来ない種類の正解を、僕は提示する。
勤め人の出世競争から降りる事然り、動画鑑賞と自慰行為を禁止する事然り。
ブログを読んでる時ゃあ何のかんの強がっておられるが、いざ本当に決断を強いられた時には、ダメな方の選択肢を選んでしまうのが人間という物だ。
ギリギリの決断をしているシーンをイメージしながら、読者の皆様に苦しんで頂くのが狙いである。なあに、今苦しんでおけば本番での苦しみは減る。
運用するって言うけど、あんたほんとに出来るの?
正解は②です。
えーっ!?と思われる居るかもしれない。
このブログを読んでおられる方だと、おそらく①を選んでまずは全額頂いて、しかる後に資産運用をする、とか言うかもしれない。
それは一面の正解ではある。
だが、いま一歩深く突っ込んで理解しないと、問題が少し複雑に込み入ったもの(現実に起こるやつ)になるとホイッとハズレを引かされる。
追加の指摘は、運用するって言うけど、あんたほんとに出来るの?と。不動産なり、刀打つなり、きゅうり育てるなり、自分でビジネス作るしか運用先なんか無い世の中だよ?勤め人の片手間で利殖が出来るのだろうか?
はなはだ心もとない。
一休さんみたいな話になるが、人間の心には限界効用というものがあり、満足は時間の経過とともに忘れ去られてゆく。
1000万円を貰ったことの満足感や重みが、100万円貰った場合のそれと比較して、絶対値で10倍かと言うとそんな事は全く無い。
お金を貰った時の幸せな気持ちや、このお金は大切に使おうという決意の量を最大化させるなら、1000万円を一発で貰うのではなく、100万円を10回に分けて貰った方が、『心の量』を最大化させると言う観点では正しい。
このセオリーは必ず知っておかねばならない。心の充実が無いと、いい判断は出来ないからだ。
⇒【聖帝の思考法】困難に立ち向かえる人間は、書いてものを考える
一生お金で苦しみ続ける回答例
ちなみに、僕が想定する最もクソな回答は、①を選んで外車の新車を買うことかな。嬉しくて近くのコンビニに行くにも愛車に乗って行く、みたいな感じね。
きっと、その人は一生に渡ってお金のことで苦しみ続ける事になる。親の財産を食い潰してしまう感じ。まあそれはその人の人生だろうけど。
僕の想像しうる二番目にクソな回答は、①を選んで新築の家(分譲のマンション)を買う頭金にすること。奴隷の烙印を額に捺されて、奴隷使いに追い使われる人生となる。
それもその人の人生だ。
楽しみを後回し後回しにしてゆく精神性
ちなみに、僕や洗練された大家は①を選ぶ。僕は例によってボロい不動産を買い、自分で修理して、貸し出すだろう。洗練された大家さんは自身の得意な手法で不動産をやる。
選んだのは①だが、②の状態を自分で作っている訳である。
肝心な事は、楽しみを後回し後回しにしてゆく精神性だ。
このへんは、非常に奥の深い話なので、次回以降も角度を変えて解説してみたい。
⇒労働力再生産の罠を見切る【貧乏・経済的苦境に立たされた時の選択肢】
⇒なんのために働くのか【就職・転職の基準】職業の選び方を解説する