
読者の方から質問が届いたので、お答えして行きたい。
@Fist_of_Phoenix サウザーさんに質問があります。
今のブログの内容とは離れてしまうのですが、「雇い主はピンハネする…」これは、その通りだと思います。しかし、社長と言っても雇われ社長である場合は、ピンハネするのは株主という事になるのでしょうか?
株主がピンハネするというのはしっくり来ません。— レイ (@rei_ire_rei) 2017年5月8日
@Fist_of_Phoenix 答え辛い質問。
分かり辛い質問で申し訳ありません。
ご意見頂けると幸いです!— レイ (@rei_ire_rei) 2017年5月8日
ああなるほどね、と。
雇い主、経営者、社長、株主、雇われ社長、そのへんの用語に関して、整理が出来て居ないとの由。
まあ、無理もない事であろう。日本では真の意味の株主資本主義みたいなものは成熟して居ないから。
何を引き合いに出そうか?
ふむ、AV(アダルトビデオ)の製作を例にしよう。
(※ただの喩えなので、僕がAVの業界構造に精通してるとかは無いです、全然違う事言うかもしれんです)
結論を言ってしまうと、社長は株主からピンハネされているといえば、されている。
三つの例を用いて解説していこう。
「身銭を切る資本家」と「リスクのない労働者」
まず基本からおさらい。
資本家とは何か?
商品・サービスを作る人である。
勤め人とは何か?
自分の労働力を商品とし、資本家に売る人である。
ピンハネするのは、基本的に資本家の側の人間だ。
リスクも背負っているんだし、そこに文句もないだろう。
例1:監督が資本家
では例その1。原始的なAVの製作チーム。
監督が頂点である。そして監督が金銭的リスク全てを負う。
下につく職人さんたち、カメラさん、照明さん、メイクさん、男優、女優、AD、汁男優、モザイク師、編集さん、に日当を払って協力を仰ぎ、自分の思い描いたAV(商品)を作るのである。
職人の人選も全て監督の胸先三寸によって決まる。
監督が全責任を負ってるからだ。
作品が売れれば監督の収入。売れねば監督が身銭を切る。
これはすなわち資本家である。
日当の職人さんたちは、作品が売れようが売れるまいが日当貰ってるから関係ない。
自分の労働力を売る労働者である。
ピンハネされていると言えばそうなるかもしれない。
だが、AVが売れなくても日当は貰えるんで、気楽な立場ではある。
これですな、質問にあった役回りで言うと、社長は監督と同義で、株主も監督なんだよな。お金出してるのは監督なので。社長と株主は監督として同一人物。
これが原始的なチーム。
例2:会長が資本家
例その2。
少し洗練されたAVの製作チーム。
先に出てきた原始的監督が超大金持ちになって、もっと大々的にAVを作りたいぞと考え、会社組織にしたとしよう。
以下、この人を会長とする。
会長は、監督を、雇うんである。男優やカメラさんと同列の、職人としての監督を雇う。
3人、4人と、監督を雇う。
会長一人が監督するよりたくさんの作品を世に送り出すことが出来る。
その雇われ監督の下に、照明さん、メイクさん、編集、というふうに制作チームが構成される。
んで、雇われ監督は、日当を貰う人だ。
作品が売れようが売れまいが、最終的な金銭リスクは全て会長が持つ。
雇われ監督がピンハネされているかと言えばそうかもしれない。
その下の職人もピンハネされている事になる。
ただ、日当貰うだけの人たちなので、結果にはやっぱり無責任でいい。
この場合は、社長とは雇われ監督の事であり、株主は会長の事であり、別人物である。
例3:株主が資本家
例その3。更に洗練されたAV制作チーム。
会長は引退したいと考え、自分の会社の株式を売ったとする。
株を買った人たちが株主。この会社の作品が売れる売れないの責任は全て、これらの株主たちが負う事になる。
組織は大きくなり、今や雇われ監督もたくさん居る。
その下には同じ数だけ、職人さんも居る。(たぶん)
雇われ監督が分散してああじゃこうじゃ言うとまとまりがつかないし、株主の側もたくさんいてまとまってない状態である。
リーダーを選ばないといけない。
株主たちとしても、全ての経営状態を把握し、聞けば答えてくれる一人の全権代表を設けて、そいつ一人と話するほうが楽である。
とりあえず、雇われ監督の中から抜群に優秀な奴を一人選ぼうか、となるのが自然の勢いではないだろうか。
これが世にいう、代表取締役社長の選任というやつである。以下、CEOな。
株主に気に食わない事があれば、こいつ一人を絞り上げれば、全社に株主の意図が波及する。楽チンである。
ところが、このCEOも、所詮は雇われ監督なのだな。
代表取締役という労働力を、株主に売って、日当を貰ってると言う構造には変わらない。
CEOの雇われ監督は、株主に忠義である事を天地神明に誓って、やっとCEOになれる。
自分で独立しても大金を得る才覚を持った人じゃないと、多くの雇われ監督を指揮し、会社を経営する芸当なんかできない。
だからこのCEO君が「リスク取って独立するのが馬鹿らしい」と思えるぐらいに高額な給料を株主は用意せねばならない訳だ。
CEOが有能で、商売が上手く行けば株主は寝てるだけでAVの収益を食える。
失敗すれば自分の持ってる株の価値が下がるけど。
代表取締役社長が、株主にピンハネされているかと言えば、まあ、そうかもしれないよな。
をはり。
【読者からの質問シリーズ】