資本家や事業家は、自分の「商品」を持っている。
大原則があって、生産設備に労働力を組み合させると、商品が出来上がる。
算式にすると『生産設備*労働力=商品(サービス)』ってわけだ。
生産設備がなくてもいけないし、労働力が欠けても、商品は出来上がらない。
つまり事業者にとっては、労働者(労働力)は、喉から手が出るほど欲しいものなのだ。
働き場所を求める立場の「労働者」は、弱い立場だと思われがちだが、事業者ばかりが優位ばかりではない。
労働力と生産設備の両方があって初めて商品は出来上がる。
今回は労働者と事業者の関係についてお話しする。
事業者が持つ、『生産設備』とは
労働者は、自分の身体を維持するため、事業者に労働力を売って現金収入を得なければならない。
事業者も、労働者の生活が成り立つようにけっこう手厚く色々なことを考えてあげて、待遇してやらないといかん。
そうしないと労働者はもっと待遇のいいところに移動してしまうからだ。
事業者とは、商品やサービスを生産する人のことである。
言い換えると、商品・サービスを作るための『生産設備』を持っている人、という事になる。
生産設備とは何か?
これは逆から説明した方がたぶん理解しやすい。
『生産設備*労働力=商品(サービス)』
という算式があったとして。
逆から言うと、『そこに労働力を投入すると商品サービスが出来上がってくるもの』それが広義の『生産設備』という事になる。
工場だったり、ショップだったり、会社だったり、色々。
ポイントは、事業者がどれだけ洗練された素晴らしい生産設備を持っていても、そこに労働力が加わらないと、商品やサービスが一切生産されないという事だ。
だから事業者は、労働力の円滑な供給には常に細心の注意を払わねばならぬし、それはつまり、労働者の心身のコンディションに心を砕かねばならぬという事になる。
この逆、労働者から事業者へのゴマ擦りの必要性については、皆ご存知の通りと思うので、ここでは割愛する。
事業者と労働者の関係
事業者は生産設備を持っているが、労働力を持たない。
労働者は労働力を持っているが、生産設備を持たない。
ここに唇歯補車(しんしほしゃ:一方がダメになると他方もダメになる。
お互いが助け合う事によって成り立つ関係のこと)の関係が成立している。
事業者は、基本的に労働者よりも優越的な立場である。
ブラック企業が労働者を虐げて、先般の大不況の折などは、おじさんの自殺が年3万人を超えていたと言う。
これが、若い女の子が自殺したとなると、大騒ぎになって、人の命は平等でない事をこれでもかと見せつけられるのであるが、本筋から外れるので置いておく。
そもそも法律を紐解けば、事業者と労働者の力関係は、むしろ事業者に冷たく、労働者にすごく優しくできている。労働者保護の法律は厚い。
嫌なら辞めたらいいし、次の事業者の元で働けばいい。
しかし、労働力が無いと、商品を生み出せない事業者はとても困る。
あなたの労働力は事業者にとって貴重な貴重な商品として、彼らは涎が出るほど欲しているのである。
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