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資本主義の重力を、一身に受けてしまう人々

資本主義世界には経済的に苦しい状況の人がたくさんいる。
その中の例を今回は一つ。

資本主義の重力を一身に受け、今まさに押し潰されそうになっているのが、「家族を養うお父さんの状況」である。

家族を養うお父さんは、労働力をフル投入しながらも、その生活を維持するための給料しかもらえない。
結果、どれだけ頑張っても、その生活が楽になることは一生ない。

そんな資本主義のルールに納得しているなら、何の食いも残らないだろう。

憂うべきは、学校教育で考える力を奪われ、一直線に労働者を目指す様に洗脳を受けて、訳も分からずに「就職」し、「結婚」し、苦役の人生から抜けられない状況に追い込まれてしまうことだ。

 

自分が雇っている勤め人に必要以上の贅沢をさせる義理などない

事業者は無意識に給料を決めている。

労働者が生活を維持し得るだろう経費を、だいたいで見積もって、鉛筆の先を舐めながら、エイヤで決める。

社員の生活にさほど余裕はなく、いつも適度に金欠な様子で、次の給料日を楽しみにしているだとか、ボーナスはまだかなあとか言ってる、そんな様子ならば、給料の額はまずまず妥当なラインであろう、と事業者は観察している訳だ。

いわゆる、生かさず殺さずの状態で、古来より飼い犬を上手く御するための伝統手法である。

大部分の社員が本当に生活に困窮してしまって、耐えきれなくなって辞めるとか、他の会社の方がいいぞと転職してしまう様なら、給料は安い。

仕事の強度を落とすとか、給料を上げるとか、事業者は社員の待遇改善を真面目に検討しなくてはなるまい。

どれだけ立派な設備を誇ろうと、労働力の供給が途絶えると、事業を進められないのが事業家の最大の弱みだからだ。

事業者の常として、豊かそうな社畜を見ると、給料を下げたくなる。

慈善が目的で会社経営をやってる訳じゃないのだから、自分が雇っている勤め人に必要以上の贅沢をさせる義理など要らぬ。

 

【車・結婚・家に対する考え】「安定した支出」が人生の逆転を不可能にする

「暗黙の了解」で決められている給料

然るに近年、取り立てて真面目に仕事に打ち込んでもいないくせに、豊かそうな暮らしを謳歌している奴が、増加傾向にあるのである。

独身者および、子なし夫婦の存在だ。

暗黙の了解として、我が国の大卒正社員の場合だと、結婚して、家族を養えるぐらいの給料が貰える事になっている。

派遣社員は、お前一人を食わせるのに足りる給料なら出すけど、家族は持たせるつもりはないよ、労働者一代限りの使い捨て条件ですよ、てな具合だろうか。

アルバイトは、空いた時間があるならうちで働いてお小遣い稼ぎしませんか?と言う条件。

ここで問題となるのは正社員の給料だ。(※派遣やバイトの話は傍に置いておく)

そこそこ待遇の良い会社となると、奥さんと、子ども二人ぐらいを食わせて教育を受けさせられるカネが給料として支払われる。

給料は、仕事の成果によって払われるものではなく、人の生命を維持し尊厳を守るのに必要な経費が、これぐらいあれば足りるよね、って事で払われる。

これが暗黙の了解で、何となくの決め方だったのがまずかった。

これまでの時代がそうだったから、と言う、ふんわりした感覚を元に、年功序列の賃金体系を維持したのが、歪みの元となった。

給料決定プロセスに、哲学や思想の裏付けがなく、前例主義の思考停止人間たちによって、形だけ維持されたことが失敗であった。

ここにおいて、独身者も「平等」な扱いで、奥さん+子ども二人ぐらい食わせる分の給料が貰えてしまうという、由々しき不平等がまかり通ってしまったのである。

 

憂うべき、家族を養うお父さんの状況

人は快楽を追い、苦役から逃げるもの。

こんな美味しい話、見落とすはずがない。

家族持ちの労働者が貧窮の中にあってかつかつ生活を送っているのに対して、独身者はその身に春の薫風を纏うが如く、豊かな消費を背景とした文明生活を享受している。

いまや、かくの如き独身者は急激に増えていて、多数派に転ずるの勢いすらある。

事業者はこう思うだろう。

「こいつらなんか余裕ありそうだな〜。給料下げても良いんじゃねえか?」

と。

そして全員の給料が「平等」に下がる。

家族を養っている人も、独身者も、子なし夫婦家庭も、皆、一様に給料が下がった。

実際に日本中で起こった事だ。

自分一人だけでも結構きついのが今の世の中なのに、奥さんと子どもの衣食住を支え且つ、彼らの尊厳も守らねばならないとすると、その負担は過大と言わざるを得ない。

資本主義の重力を一身に受け、今まさに押し潰されそうになっているのが、家族を養うお父さんの状況である。

この限界を超えた苦役が国民の一局に集中して、ほとんど死ぬまで続く訳だ。憂うべきと思う。

 

この国の根本の政治思想

しかし、そうやって身を削りながら労働力を搾り取られてくれる人がいないと、この社会は成立しないという事情もある。

そういう資本主義の残酷なルールを全て知って、納得ずくで飛び込んだ世界なら、人生に悔いは無いだろう。

だが、ほとんどの場合、学校教育などで真っ先に自分で考える能力を奪われて、一直線に労働者を目指す様に洗脳を受けて、みんながやってるからと言う理由で、訳も分からずに「就職」し、「結婚」し、苦役の人生から抜けられない状況に追い込まれてしまう。

 

「民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず」

とは、国民は馬鹿なんだからやれと言って強制すれば良い、理由を懇切丁寧に説明してもどうせ理解できないから、ぐらいの意味だろうか。

江戸時代の言葉であるが、この国の根本の政治思想というのは、やはり変わってはいない。

残酷な話だが、この資本主義世界では、国家を筆頭に、ある意図を持って人を洗脳して、自立できない状況に追い込もうとする奴らで溢れ返っているのである。

 

次回:【行動する人、しない人】紙にペンで書く習慣が、両者を分かつ

 

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