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デートをせずにアポをしろ~あつまれ モンスターの森 中編~監督日誌Vol.7

前回のあらすじ 

 

 

マッチングアプリの女の子に会ったら鏡餅でした。 

 

前回の記事をお読みいただいた知人の感想がものの見事の似通っておりまして、

 

読者
え!?この後S〇Xするの!?

 

と驚きを隠せない様子だった。 

 

そうなんです。私、監督は、鏡餅ちゃんとS〇Xしました。 

#言わせんな恥ずかしい 

 

読者の皆様におかれましては、「一体あの流れからどうやってやり取り復活するの!?」とお思いのことでしょう。 

 

簡単な話、「放置してたら向こうから連絡が来た」です。 

 

 

前回僕が送ったブチギレメッセージから約2週間ほど経過したある日、次のようなメッセージが届いた。 

 

 

このラインの意図がわかるだろうか。 

 

そう、これこそが「逆ザオラルメール(ライン)」というやつです(連絡が途絶えていた女の子に久しぶりに男からメッセージを送るのがザオラルメール)。 

 

明らかに、「何をやらかしたのか」を聞いて欲しいという狙いが透けて見える文面。 

 

正直直前までは、「ちょっと強く言い過ぎたかな…」くらいに思っていたのだが、このラインを見た瞬間に確信した。 

 

この子は確実に脈ありであると。 

 

理由①:脈なしであればもうメッセージは送ってこない

理由②:話題の核心を隠すことで、こちらの返信を期待している文面

理由③:独り言と話しかけている感じの中間ぐらいの文面から、「返事来たら嬉しいけど、返信来なくても独り言みたいなもんだし、ノーダメージ」という言い訳をしたいという魂胆が丸わかり

 

以前はあれほど調子に乗った文章を送って来ていた鏡餅ちゃんであったが、ここにきて随分と臆病な文面に成り下がっている 

 

この戦、勝機が見えてきた。 

 

すかさず返事を書く 

 

 

まずは相手の陽動に乗ったフリをする。いきなり強気で攻めたり、陽動を見破った素振りを見せてしまっては、せっかくこちらの陣地に踏み込んでくれたのに、ビビってしっぽ巻いて逃げてしまう。 

 

さあ、どう出る? 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ

 

 

 

 

 

 

どうでもいい。すげーどうでもいいよ。その情報。お前の前髪情報最前線を求めている人は世界中でお前しかおれへんですわ。いや、ある意味俺もブログネタになるという意味では少なからず期待していたかもしれないが、それでもまさか振り向いて欲しくて頭振り絞って考え出した話のタネが「前髪切り過ぎた」て。女子中学生かお前は。 

といったツッコミ脳内完結させてから、やり取りを続ける 

 

 

「可哀そうな私を慰めて♪」感がにじみ出ております。典型的なかまってちゃん文面なことに、一周回って安心感を覚えるレベルです。 

 

このやり取りは無駄に引き延ばしてもらちがあかないと思い、いきなり核心に触れてみる 

 

それに対する鏡餅ちゃんの返信はこう 

 

 

主導権は我にあり 

 

それを確信する返信だ。 

 

完全にこちらの顔色を窺っている。これはどんな返事を送っても通用しそうな勢いだ。 

 

しかし、勝負を焦ってはいけない。いくら勝ちが見えている闘いであっても、一瞬の隙や余裕が命取りになることもありうる。勝機が見えた時こそ、いつも以上に慎重な対応を。相手の首を取るまでは、一切の油断も許されない。 

 

 

このやり取りの意図としては、向こうから「会いたい」という言葉を引き出す、というのがあったのだが、残念ながらそこまでの勇気は出なかったようで、撤退を決めてしまったようだ。 

 

この調子だと、またしばらく放置していたら「髪伸ばし過ぎた」とか「バランスが悪い」とかなんとかいってLINEして来そうな感じもあったのだが、そこまで時間をかけても仕方がない。 

 

今度はこちらから仕掛けてやろう 

 

 

主導権をがっちり握った今、地元に呼び出したら必ずやってくるだろうとの確信があったので、端的な文章で送る。 

 

対する返信がこれ 

 

 

出ました。またかまってちゃん文章です。この女、完全に神聖かまってちゃんです。ロックンロールが鳴りやみません。

 

普通の人だったらブチギレて終了してしまうところですが、ここは菩薩の心で包み込むように対処するのが紳士のたしなみ 

 

 

 

アポ、決まる。

 

主導権はこちらが握ったまま、相手の言葉を引き出すことに成功しました。 

 

前回の記事でも書きましたが、女修業において、「主導権を握る」というのはめちゃめちゃ大事です。メッセージからアポに至るまで、常に裁量は自分が持つようにしましょう。決して、何かの決断を相手に委ねてはいけません。 

 

〇主導権を相手に渡してしまうNG集 

・アポの場所を決める時に「どこ行きたい?」などとお伺いを立てる

・1軒目のお店を出た後に「この後どうする?」などと聞く

・一緒に歩くときに先導して歩かない

・会話が途切れた時に、新しい話題を出さない

・2回目のアポの約束をこちらから切り出さない

・打診しない

 

総じて、「相手に決断を任せる」ことや、「積極的に行動しない」ことがNG行動です。 

 

やるべきことは、この逆。 

・アポの場所決める時は、「ここに行こう!」と自分で決めるか、もしくは「ここに行こうと思うんだけどどう?」などとYES・NOで答えられる聞き方をする

・1軒目のお店を出た後、解散するならサッサと解散、2軒目行きたいなら「バーで飲み直そう!」「カラオケ行こう!」などと、具体的に場所を指定して相手に提案する。

・一緒に歩くときは相手のペースに合わせるのではなく、自分のペースに合わさせる勢いで行く。手を繋げるなら手を繋ぐ。

・話題振りはなるべくこちらからする。沈黙で焦った素振りを見せずに間を埋める努力をする。

・2回目アポの話はこちらから振る。出来れば一回目のアポの解散前に打診する。相手の気持ちなど一切うかがわず、「俺はお前とまた会いたい」という意向を必ず伝える。伝えれば相手の意向はおのずとわかる。

・ホテル打診すると決めたら率直に言う。「失敗したらどうしよう」という考えが頭をよぎったら、「ここで失敗してもこの女とは二度と会わないのだからノーダメージ」と割り切り、打診する。大事なのは、「打診するか、しないか」をハッキリ決めて行動すること。「打診しない」と決めたなら、さっさと健全解散せよ。中途半端にグダグダ時間を引き延ばすのが一番最悪

 

今回の件においても、僕は一貫して「お前に会いたいから会いに来い」という直球の打診を続けております。その甲斐あって、鏡餅ちゃんはわざわざ数時間かけて僕の元に会いに来ることとなった。 

 

 

~アポ当日~ 

 

 

彼女は一県またいで僕の地元まで車でやって来た。「すごく遠かった!」などと彼女は言っていたが、やはりその表情はどこか嬉しそうであった。 

 

集合時間は昼の1時。お互い昼食がまだだったため、お昼を食べに行くこととなった。彼女の車を駐車場に停め、僕の車に乗り換えて移動する。 

 

場所は近所の鶏焼肉屋。このお店は焼き肉屋でありながら鶏肉がメイン食材で、中でも「鳥ご飯」と「せせり」が抜群に美味しい。しかも僕の住んでいる地元付近にしか出店していないローカル店舗のため、世間一般には広く知られていない、いわゆる「知る人ぞ知る名店」と呼ぶにふさわしいお店である。 

 

鶏焼肉を食している彼女はえらくご機嫌だった。 

 

大食いの男性でも十分満足できるボリュームの「鶏飯&せせりランチ」をペロリと平らげ、「こんな美味しい焼き鳥食べたの初めて!」と満面の笑みで感想を述べた。この子の笑顔はものすごく可愛い。そう、笑顔だけは。僕はなるべく視線を落とさないよう注意しながら微笑み返した。 

 

お昼を食べた後は地元の観光スポット、通称「トトロの森」向かう 

 

「トトロの森」は、その名の通り、映画「となりのトトロ」に出てくるような、幻想的な森林風景が広がっているところで、家族連れやカップルで連日にぎわっている。 

 

 

「ちょっと待って…疲れた…休憩させて」 

 

 

ちょっとした小路の階段で彼女はぜーぜーと息を切らしながら歩みを止めた。まだ5分ほどしか歩いていないが、彼女にとっては登山道のごとくキツイようだ。僕も足を止めて、彼女の体力の回復を待つ。 

 

「ほら、後ろつかえているし、もうすぐで上り坂終わりだから早く行くよ」 

 

そう言って彼女の手をグイと引っ張って歩き出す。今回ばかりは彼女も抵抗する余裕はないようで、大人しく手を繋がれたままで歩を進める。 

 

ひとしきり散策した後、次のスポットへ移動。この付近では有名なプリンが売られているお店。連日観光客が列をなし、インスタ映え狙って撮影を試みる若者でごった返している。 

 

正直ありふれた観光スポットだ。この地方をデートコースに選んだら誰しもが候補に入れる場所。人は多いし、待ち時間は長いし、別に味も大したことはない。ぶっちゃけていうと通販でも買えるからわざわざ食べに来る意味も薄い。全くもってコスパが良いとは言えない。 

 

しかし、あえてこの定番コースを選んだのには理由がある。 

 

彼女は「建前」とか「形式」、「定番」みたいものをえらく好む。定番のデートコースなるものも大好物だ。無駄に長い待ち時間を経て、そこら中にありふれた景色を見ながら、大して美味しくもないプリンを食べる。

彼女は「すごく楽しい」と笑みをこぼした。その表情には一切の嘘はなく、本当に今この瞬間を楽しんでいるであろうことが容易に読み取れた。 

 

どうやら今回のデートコースのチョイスは間違っていなかったようだ。 

 

プリンを食べ終わり、しばらくの間景色を見ながらまったりしていると、そろそろ夕暮れの時が迫っていた。 

 

「夕日がキレイに見える場所があるから、行こう!」 

 

僕らは地元で有名な夕日スポットへ向かった。10分ほど山道を車で登り、頂上付近で車を停める。そこからは徒歩で頂上まで登ることとなる。 

 

例のごとく彼女はすぐに疲労が溜まり、頻繁に休息をとる。先ほどの整備されていた遊歩道とは違い、こちらは山道。普段運動している僕でも多少息が上がるくらいの悪路。体力的にも体型的にも大きなハンデを背負う彼女にとってはキツイのも無理はない。 

 

息も絶え絶え何とか頂上にたどり着いたころには、既に太陽はオレンジ色に輝き、地平線の彼方へその姿を隠そうとしているところだった。 

 

「すごく、キレイ」 

 

彼女はポツリとつぶやいた。その通りだった。僕自身、このスポットはググって調べて知っただけで、実際に夕日が沈む瞬間を見るのは初めてだった。 

 

初めて見た夕焼けは、まるで映画のワンシーンに出てきそうなくらい美しく、そして儚かった。地平線に差し掛かるまではとてもゆっくりだが、沈み出したが最後、沈み切って輝きがなくなるまでは恐ろしく速い。 

 

僕たちは、夕日が最高に輝くまでの過程から、沈み切って辺りが紫の闇に包まれていく結末までを、ただ黙って眺めていた。その沈黙は、話題がなくて出来上がってしまった類のものではなく、この上なく美しい情景を楽しむのにおあつらえ向きのものとして、その場に寂寞として存在していた。 

 

帰り道も、僕らは無言のままであった。あまりにキレイであった夕日の余韻から未だ抜け出せずにいたのだ 

 

「夕日、キレイだったね」 

 

「うん」 

 

「今日、来て良かったね」 

 

「うん」 

 

「また、来たいね」 

 

「うん」 

 

帰りの車の中で交わした会話は、えらくシンプルなものばかりだった。それにもかかわらず、今はそれで十分と思えるほどの充足感が僕らを包み込んでいた。 

 

駐車場に着く頃には、目の前の彼女の姿すらはっきり見えないほど、辺りは真っ暗だった。 

 

「すごく楽しかった」 

 

「それはよかった」 

 

「今までで行った中で一番楽しかったかも」 

 

「今度はそっちがエスコートしてよ笑」 

 

「えー、それはめっちゃハードル高い笑」 

 

「いや今日は俺頑張ったんだから今度はそっち頑張る番でしょ笑」 

 

「んー、なるべく頑張る笑」 

 

そんな他愛もない会話のやり取りをする。 

 

気が付けば、僕らはお互い手を握り合っていた。 

 

心なしか、彼女は帰りたくなさそうな様子に見える。今、最高に楽しいこの瞬間から離れることを惜しんでいるように思える。いや、絶対そうだ。 

 

僕は確信した。 

 

今なら抱ける、と。 

 

幸い、この駐車場には人気はない。あたりも真っ暗で、二人きり。シチュエーションとしてはこれ以上ないくらいベスト。 

 

主導権は間違いなく、こちらにある。あとは「打診する勇気」を持つだけである。 

 

そっと彼女を抱き寄せる。抵抗感はあまり感じない。前回とは大違いだ。 

 

少し体を離して、彼女の顔を見つめる。暗くてよく見えないが、瞳が潤んでいるように感じる。まるで何かを期待しているように。 

 

(これはイケる) 

 

僕は何かに導かれるように彼女と唇を重ね 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようとした次の瞬間 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡餅
そういうのはいけません!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ものすごい力で身体を引き離され、僕は闇に放り出された。 

 

 

 

そそくさと彼女は自分の車に乗って、帰っていった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またかよ!!!!!!!!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全力で叫んだ僕のツッコミは、闇の中に虚しく吸い込まれていった。 

またしても、彼女の独自ルールによって、僕の打診は阻まれてしまった。彼女的にはまだキスするのは早かったらしい。 

ここで重要なことに気付いてしまった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督
なんで普通のデートなんかしてるんだ俺は

 

 

 

そう、これは女修業。一人でも多くの女性を幸せにしなければならない。決して、世間一般のありふれた恋愛をするのではない。女性を魅了し、S〇Xという対価で自分を買わせなければならない。 

 

 

そういう意味で、今回のアポは大失敗だ。いわゆる一般的な意味でのデートとしては大成功なのかもしれないが、「打診を通す」という文脈においては適切ではなかったのだ。 

 

 

根本的にやり方が間違ってた。僕はそのことに気付いた。 

 

 

 

こういった一般的なデートは、既にS〇Xを終えた既存子といくらでも行けばいい。まだS〇Xを達成していない子に対しては、まずはS〇Xに持ち込めるような立ち回りを最優先して展開しなければならない。 

 

 

僕は少し、うぬぼれていたようだ。 

 

 

次のアポは、もう油断しない。全力で打診を通しに行く。 

 

 

僕は真っ暗な駅前の駐車場で、固くそう誓った。 

 

 

~まさかの次回に続く!次回、鏡餅ちゃんとホテルへ行くの巻!乞うご期待!~ 

 

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